011 私と採血
フラクタルの血を見る担当、のぞみです。
あ、先に宣言しておきます。
このblogではノウハウとかは特に書いていかないです。恐らく。
もしここでで『逃げる血管をおさえるコツ!』とか『真空管採血のテクニック!』とか書き始めたらきっと商業主義に走ったか、別人が書いていると思ってください。
あと強いて言うなら、テクニックが知りたかったら集中治療室の看護師さんのblogを読むのは不向きかと思います。
採血、お好きですか?
看護師っぽい業務ランキングがあれば一、二を争う採血ですが……
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集中治療室の看護師さんは、患者さんに動脈ライン(橈骨=手首のところの動脈に点滴用の針を留置して持続的に血圧をモニタリング、ルートを満たしているヘパリン加生理食塩水を引いて破棄すれば採血もできる)が入っていることが多いので、ICUしか経験のない1〜2年目看護師は採血が上手じゃないって世間一般では言われています。
ちなみにこのA(動脈)ライン、抜けると天井まで血が吹き出すとかなんとか言われていますが幸いまだ見たことはないです。
外科医が患者さんの身体を切る・看護師が患者さんに針を刺す、なんて侵襲的な処置ってあるじゃないですか。例えば一般人がやってはいけなくて、医療職者だったらやって良いって言う根拠は医療行為の3条件とか言われているそうで、『治療が目的』『承認された方法』『患者本人の承諾』の条件を満たしているから実施ができるそうです。
まぁ小難しいはなしは正直どうでも良くて、痛みが伴う処置だからなるべく患者さんがしんどくないように1回で終わらせる。皮下出血がないように採血後は穿刺部をしっかり押さえてあげるようにしてますって、それこそ私の主義主張はどうでも良いですね、ハイ。
でもなんだかんだ言って、昔は苦手でした。採血。
場数をこなすことの大切さってやっぱりありますよね。
細い血管、それをわざわざ主張してくる患者さん、そしてそばで私を見ている先輩看護師……(独り立ち前)
そりゃ心も負ける。負けない気持ち、大事。針ものは全部気持ちで成功させる。
する
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上手なひとに採血されるのって意外と苦痛ではなくて、それこそ献血ルームの海千山千の血管を乗り越えてきた看護師さんに採血されるのは一種の快感も伴います。
献血ね、気が付いたら16G(恐らく。正確には知らない。Gとはゲージ、針の太さ。ファーストピアスとか確か16Gだった気がする)を刺されても痛くない。相手に対する安心感がある。
献血、好きか嫌いかで言うと好きな方の部類に入ると思うんだけど、アレのなにが良いかって、看護師さんの手際の良さ……って言うか思い切りの良さではないかと思っています。まぁ、腕むっくむく、両腕から末梢点滴ルート入ってて足しか採血する場所がない、みたいなことはないから(献血できるのはある程度健康状態が良いことを保証されたひとなわけですし)できるワザではあるんでしょうけど。
ちなみに自分が2年目のときに、健康診断の採血を1年目ちゃんにやってもらったんですよね。患者さんの採血はまだしてない、実際に採血を実践したのは4月の初期研修みたいなのが最初で最後、みたいな子にね。
きっと私になにかあってはいけないからと必死だったんだと思いますよ。
でもね、駆血帯巻いてから必死に自分で作ったアンチョコ見返して、そもそも採血以前にアル綿持つ手が震えてる彼女に穿刺された瞬間に目の前真っ黒になったよね。
迷走神経反射だよね。
監督役の主任さんがいたからセーフだったけど背もたれのない椅子に座ってたから転落しかけたよね。
それから採血の際にはいつワゴっても良いように対策を行ってからしかやっていません。私にとってもトラウマだったけど、彼女にとってもきっとこれからの採血人生を揺るがしかねない出来事ではなかったでしょうか。
16Gでの献血に慣れると21G、22Gで採血されるのそんなに痛くないから1年目ちゃんに採血してもらう機会があると「大丈夫だよ」「痛くないよ(※ただし16Gと比べて)」って伝えてあげるようにしています。
看護師っぽい業務一、二を争う採血だからなのか、そう伝えてあげると嬉しそうな顔する子が多い印象です。
次回『逃げる血管をおさえるコツ!』『真空管採血のテクニック!』の豪華2本立て!
お楽しみに!!!