自由と。

朝起きる時間と、家を出る時間は、現場に直行なので結構まちまちだ。自宅から利用者さんの家の距離よってだいぶ違う。今日は一番遠い利用者さんの家だった。7時半ごろ家を出ることにしている。常に混む道を通ってるから。気持ちに余裕がない、焦るのはあんまり好きじゃない。

8:15ごろ利用者さんの家の近くに着いた。

9時まで有料駐車場で時間をつぶす。
笑っちゃうくらい暑い。
コンビニで塩タブレットと塩飴を買ってきた。

海軍の金曜日のカレーよろしく、金曜日はラジオを聞かないでCDを持ってくことにしてる。今週月、火曜日と休みだったけど、金曜日は少しご褒美。
でも今日は熱中症アラートが発令していたってはなしを利用者さんから聞いて、やっぱりラジオで情報得るのも大事だなと少し感じた。

1件目の利用者さんは、わたしが入職したとき(半年前くらい)から、ニコニコしながら独語やら不明瞭な発語やらなんやらかんやらがあって、なかなかに意志疎通は困難なんだけど、なんだかわからないけど帰るときに『今日もありがとうございました、またお願いしますね』って声をかけると『はーい、 いってらっしゃい』とか『お茶でも飲んでいけば良いのに』って言ってくれることがある。たまに会話が成立するというか、コネクトするのが嬉しい。ちなみに今日は無言だった。

2件目。配偶者がお亡くなりになってから認知機能低下して、在宅困難か?と言われ続けながらどうにかヘルパーさん毎日、看護師も週数回介入して、やっとこさ自宅で暮らしてた利用者さん。体調崩して検査入院したら、その2泊で上げ膳据え膳な生活が楽だったのか(※ケアマネさん談) 『入院したい』って訴えがすごく強くなったらしく、施設へ入所……の予定は昨日の筈なんだけど、遠方のキーパーソン(むしろ、そんなひといたんだ……、って顔を事業所みんなでした)都合で明日に延期になったので明日の分まで内服セットをして、保清・整容。
よくいる、冷房は使わない、むしろ持たないタイプのパーソンで、取り敢えず訪問して案の定サウナが完成されつつあったので窓全開→扇風機オン。

あー、わたし、これから蒸し風呂 on 蒸し風呂でシャワー浴かぁ……。と遠い目をしながら粛々とシャワー浴。

在宅困難って、なんか、もっと、勝手にシビアな印象を持ってたけど、こんなアッサリ施設に行くんだなぁ。 って気持ちと、でも利用者さんもきっと悩みに悩んで出した答えなんだろうな。って、飄々とした本人の様子とケアマネさん談以外のことを想像していました。
(普通に『ひとりで生活すんの面倒』って結論に至った気がする。正直……)

わたしですらひとりで暮らすの、そこそこ面倒だし、しんどいと思ってる。
(かといってハハや妹と今さら一緒に暮らしたいかと言われると、それは明確にNO)

買い物やご飯、掃除、洗濯とかはヘルパーさんが来てくれるし、内服管理、排便コントロール、保清も看護師が手伝ってくれる。
だとしても、家で。自宅で。自分の城の、テリトリーの中で。こころに寄り添ってくれるひとがいなかったのは大きいのかな、と、思うし、看護師はきっとそれになれなかったんだろうな。と考えて、利用者さんの背中を流しながら反省した。シャワー浴中に『寒い』って言われてわたしはすごくしんどかったです(全身、なんなら顔まで汗ビショビショで)

自由と責任、自由と制限、自由と窮屈。若干自由がゲシュタルト崩壊するくらいに頭をぬるぬる回った。

車に戻ったら塩飴が少し溶けていた。それは盲点だった。