25.ひとりで死にたい?
カレー沢薫さんの『ひとりでしにたい』を読んだ。
猫を飼っているそこそこ実家が太い35歳独身独居の主人公が、吸引バイブを遺して(幸か不幸か)浴槽の中で汁になって孤独死していた叔母をきっかけに終活を始める話なんですけど。
我ながらすごい端的にあらすじをまとめたと思う。
……とんでもないあらすじだな。
未婚の女性がひとりで生きて死ぬこと(そもそも結婚の意義とは?子どもを設ければ安心という昭和の価値観)、なぜか対立してしまう専業主婦とキャリアウーマン、貧困のループ、葬儀や檀家制度、介護は娘(女)がするのが当然という価値観、両親(昭和のガンコジジイとヒップホッパー)の介護……の前に熟年離婚の危機、そしてライフプランを立てることと推し活の有用性などなど、右往左往しながらも学べる内容なのではないかと思いました。右往左往大事だよね、自分の頭で考えることがそもそも大事だから。
ところどころ出てくる猫の圧力がすごいけど……。
あと吸引バイブの圧もすごい……。
同僚の年下エリート公務員くんとの恋の行方とか、彼の家庭環境のこととかがきっとこれからフィーチャーされていくんだと思う。それを考えると実は猫とバイブもなにかの伏線なのか???と思ったんだけど……、たぶん違うな。うん。
より良く死ぬためにはより良く生きなくてはいけないので、より良く生きることを考えるとより良く死ぬことを考えないといけないと思う。
はっきりいってめんどくさい。作中にも出てくるけど、今面倒だと思うことは、後期高齢者になってからは面倒どころか考える余力や体力もない可能性がある。だから考えなくちゃいけない、めっちゃ端的にいうとACPって大事だよね。って話なんですけど。
昔友だちだったひとが毎年自分の誕生日に遺書を書いていたんですけど(確か高校3年間やってた)(厨二病の一種だと思う)、あれはあれで正しかったんだと思う。
今年35のわたしは、実はエンディングノート初めから終わりまで1冊欄を埋め切ったことはない。18のときに初めて手にした上に、これだけ死ぬことをずっと前向きに考えてるのにね。
『ひとりでしにたい』っていうけど、心配しなくても、たぶん、ひとりでも誰かと一緒でも、準備しようがしてまいが、死にやすくなるんじゃないかとは思う。これからどんどん死の絶対数も増えるし、多様性も認められてくると思うので。
だから不安なく死ねるようにいっぱい悩んで考えていきたいと思う。
私的に漫画の中ですごく良いと思ったのは、孤独死するなら部屋のここで死ね!って書いてあったの良かったと思う。葬儀屋さん的には浴槽最低だと思ったけど、メリットもある!