9.今さらひとに聞けないので摘便を勉強してみる。

摘便(てきべん)
肛門から指を入れ、便を摘出する医療行為である。

訪問看護師になってから、とにかく摘便をしてます。1日1件は絶対ある気がします。看護師になって8年目ですが、病院で勤務した7年数ヶ月(※ぜんぶ急性期)の間の摘便の数を、訪問看護師になってからの2~3か月で越えたなと思いました。

もちろん食事、水分、薬剤含めて、そういう侵襲的ではない方法で出せれば良いのかと思うのですが、そもそも在宅療養をしてる利用者さんは長期間の習慣性便秘(排便反射の低下)のかたが多いような気がします。もう、摘便じゃないと出ない。歩けない、動けない、腹圧もかけられないので週に2回程度の摘便でどうにか排便コントロールをしているような印象です。

 

【在宅での摘便】
《必要物品》
・個人防護具(手袋、エプロン)
・潤滑剤(プロペト、ワセリン)
・お尻拭き
・タオルケットやバスタオル等
・ビニール袋(ごみ袋)
・陰部洗浄物品

他、あまりにもいつも便の量が多いようなかたにはシーツの汚染防止に敷く物(オムツやペットシーツ的なもの)を使います。

《手順》
・本人、ご家族に摘便することを説明します。

・換気のために窓を開けさせてもらいます。

・周囲から見えないようにカーテンや扉を閉めます。

・手指消毒をして個人防護具を着用します。手袋は利き手に2枚つけます。
が、ベッドスペース等の兼ね合いで、ひだり側臥位をするときにお尻を向けられない(ひだり側臥位になると自分の方を向いてしまう)ときには利き手と反対に2枚つけて摘便します。あと万が一手袋が破ける、想像以上に汚れるなどのハプニングも考えられるので必ず手袋はすぐ近くに予備を数枚起きましょう。

・布団を外し、寝衣(ズボン)を脱ぎます。バスタオル等をかけて、不必要な露出は下げます。

・ひだり側臥位に体位変換します。
このとき必要なら敷く物を引いておきます。

・利き手の人差し指に潤滑剤を塗布します。
反対の手で肛門を開いたり、肛門周囲を刺激します。

・指を挿入します。
できる利用者さんなら、『フーッて息を吐いててください』と促して、口呼吸をしてもらいます。

・指を直腸壁に沿って回しながら、便塊を掻き出します。
無理に奥まで指を入れすぎないこと、利用者さんの苦痛や気分不快がないかなどを注意しながら実施します。
軟便のときはオムツの中で広がってだいたい手首に付きます。くれぐれも気を付けてください。適宜お尻拭きで拭きます。

・摘便終了後、陰部洗浄をします。

・ごみ、物品、環境などを片付けます。
摘便した便はオムツに包んでそのまま捨てる、またはトイレに流させてもらいます。
トイレに流す場合は便器に便が付着してしまうことがあるので、トイレットペーパーで拭くなどします。ちゃんと流れたかまで確認してください。

《注意点》
・直腸穿孔に注意。
利用者さんからの苦痛の訴え、便の性状(出血の有無)を確認します。

・循環動態に注意。
迷走神経反射によって血圧低下、徐脈が起こる可能性があるので、利用者さんの反応を観察し、必要時、摘便前後にバイタル測定を実施します。

 

毎日やるのに意外と注意が必要な手技なので、改めて復習してみました。テキストはメディックメディアさんの『看護技術がみえる vol.2 臨床看護技術』をなんとなく眺めつつ書きました。

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