4.お迎え現象という言葉

最近すごく興味深いと思ってはなしを聞いていたことのひとつに『お迎え現象』という言葉があるんです。こうやって書いてる自分ですらなんかオカルトっぽい単語だなぁ、と思って書いてるので、きっと興味ない人からすると、夏恒例の怪談話の一種に聞こえるのではないでしょうか。

なんとwikiにもお迎え現象についてのページがあります。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E8%BF%8E%E3%81%88%E7%8F%BE%E8%B1%A1

もうなんなら一緒にwiki音読しよ?ね?エモいから。

要するによく聞く『死んだはずのおばあちゃんが川の向こうで手を振ってる』的な、『もどってきた!黄泉の国から戦士たちが帰ってきた!』的な、そういうニュアンスの言説なんですけど、あ、うん、乙事主さまのはまた少しはなしが変わってきますが……。

『お看取りが近くなったときに、亡くなった(今はもういない)誰かの姿を見ること』をお迎え現象と言うそうです。このお迎え現象と言う言葉を世に知らしめた(…?)のが、岡部健先生(現在は故人)という、在宅ホスピスケアのパイオニア的存在なのだそう。初めて知った。岡部先生の元では約40%の患者さんがお迎え現象に遭って、しかもお迎え現象に遭ったかたはみんな大往生だった、って経験から、お迎え現象の研究を始めたそうです。あ、しかも病院ではあまりおらず、在宅では多いっていうのも興味深くないですか?

 

今私が訪問させてもらってる利用者さん(ゴリゴリの認知症の診断あり)も、たまに独語があって、よく空中に向かって『あー、おかあちゃんー』と言って、主介護者の子どもさんを少しビビらせています。やっぱり縁起でもない、って思うひとのほうが、多いんでしょうかね。気持ちはわからんでもない。昔から亡くなったひとが夢枕に立つのは不吉、って言われてますもんね。本当におかあちゃんがそこにいたらそれはもうオバケなわけで、言うてもせん妄でしょ?みたいな気持ちになると言うか……、そう考えたほうが、科学的に納得がいく、と言うか。

でも利用者さんは、おかあちゃんとお話しているときにニコニコしているし、処置で痛みがあるときにおかあちゃんに助けを求めている。きっと良いおかあちゃんだったんだろうし、今も良いおかあちゃんが見えてるんだろうなと思うと、少しホッとします。

あとはこうやってお迎え現象のはなしを聞いて思ったのは(正直、まだまだお看取りとは遠そうに感じるものの)(ご高齢なのでいつなにがどうなっても、おかしくはないという前提で)ご本人も、ご家族にも、心の準備をする猶予ができるのではないのかな、と感じました。
そういえばおかあちゃんも来てたしね、あれはお迎えだったんだね、って。

ちなみに今この投稿を書くためにパラパラ読みをしている本の中には、お迎え現象に対するケアについて、せん妄や非科学的なものだと否定するのではなくて、お迎えが来ていることをどう捉えているのかアセスメントして対応することが必要、って書いてあります。明日から実践してみたいと思います。

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